漢字をあてはめれば「活け殺し」。いささか物騒だが、ななかなか良い言葉だと思っている。これはそもそも川喜田半泥子という三重県の津に住んでいた銀行家でかつかつ近代の代表的な数寄者のことばである。
半泥子は素人ながら焼物の名人であった。「陶車のイケゴロシとは一つの形を作るのに急所に力をいれて、其外は気を抜いてをく事ともいえる」。細部まで気を張ってつくったらノンベンダラリとなる。ここぞという所だけ一気息を殺して、あとはなりゆきで総てを生かすというのが半泥子手法だとい。事業でも人使いでも同じことで、のべつ幕無しに気を張っていたら、仕事も活気を失うし、人もやる気を失せてしまう。
肝心な所だけきちんと押さえておけば、あとは任せることだという。
参考になる記事でした。日経新聞夕刊 あすへの話題より